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月刊薬膳コラム
■ 程さんの月刊薬膳コラム11月号 ■
「韓国紀行で体感した、歴史と文化の違い」

また韓国に足を運びました。一番近い外国。食の視点から見ても大いに異なるところ、学ぶところがあります。今回はそんな韓国紀行を。

韓国に行って痛感するのは、すでに日本ではなくなってしまった古いしきたりが残っていること。年寄りをうやまう。親を大切にする。男尊女卑。これらは儒教の教えがいまも生きていることの現れでしょう。日本は仏教の国。そのあたりでずいぶん違います。

食事の席で、決して年配者より先に杯をとらない、たばこを吸わない。男女が歩くときでも、女性は半歩あとを歩く。これらの儒教の教えが薄れていっているのは間違いありませんが、それでも日本のような現状とは異なります。

バブル崩壊から続く不況。そしてリーマンショックによる未曾有の大不況。それらの影響もあるのかも知れませんが、若者の中に、自分さえ良ければ…という考えが蔓延しているのは悲しいお話です。経済状況が悪いから、余裕がないといえば、それまで。そんな時だからこそ、古くても、人間としてよい習慣は残るべきと考えますが。

食事の時の礼儀を食礼(しょくれい)と言います。韓国と日本では多くの点で違いが見られます。たとえば、日本ではお茶碗を持つのは基本。ところが、韓国では器は盆・テーブルにおいたまま。さじや箸で食材をつまむ。スプーンでご飯もいただきます。器を手に持つのは下品な食べ方とされます。

このコラムでも何度もお話していますが、国ごとで食礼は異なりますから、日本人が向こうで器を手にしても別段不思議はありませんが、できることなら、その国ごとの作法を学ぶという心がけが人間としての知識、教養を深めるでしょう。

お隣の中国では、ほとんど韓国と同じ。ただし茶碗を手に持ってもかまわない。そのあたりが微妙に異なります。

さて、ここからが今回の旅行で初めて知ったこと。韓国の料理といえば、焼き肉が思い起こされますが、これはたかだか300年ほどの歴史です。唐辛子を使うのも300年ほど。

もともと焼き肉という料理は韓国にはなくて、北の地方のプルコギ、寄せ鍋がその原点と言われます。それに、牛やブタの肉を入れたそうです。

一説には、韓国の焼き肉は、日本の大阪・鶴橋あたりの食べ方を真似て、流行したものとも。ですから、終戦後のお話しになります。焼く前にタレにつけ込むかどうか。そのあたりが違います。また、肉の切り方も韓国は大きなまま焼いて、それをハサミなどで網の上で小さくする。日本だと、一口大の大きさで出てきますね。ここも違う。

唐辛子については、豊臣秀吉が朝鮮に出兵した際に加藤清正が持ち込んだとされます。意外に歴史は浅いのです。当時、韓国では唐辛子がなく、肉の保存料としてコショウを利用していましたが、コショウは現地ではとれないので、どうしても高価につきました。ところが、唐辛子は肉の保存料として優れているばかりか、この韓国の地でも栽培できることから、一気に普及しました。いまでは韓国は唐辛子王国。世界中の唐辛子が栽培されて、ご存じのキムチをはじめとして、韓国料理には欠かせないものになっていますね。それがもともと日本からのものというのが面白いと、私は感じました。

今回は釜山にも立ち寄りました。そこでは、市場の中の料理店の台所をお借りして、同行の皆さんにふるまうことにしました。せっかく海産物の名所だからと、市場で鯛を買い込んだのですが、これが養殖もので一匹10000円!日本よりも遙かに高値です。観光客相手だから足元を見られたのだろうと、調べましたが、どこでも同じ。日本ならたかだか3000円くらいですから、驚きです。韓国でも高級魚というより、韓国ではあまり食さないから、値が張るということでしょう。

そしていざ、料理となったのですが、まず、大鍋がありません。仕方なくフライパンの大きなもので代用。韓国では大きな鍋を使わないのですね。調理は、中国風に、酒、おろし生姜、醤油、ゴマ油、片栗粉などなど。ところが片栗粉が見あたりません、これは小麦粉で代用。全体に下味をつけて、オーブンへ。

さて、魚の頭は、日本では、左向きと決まっていますが、こちらではそういう決まりはありません、どちらでもOK。このあたりも少し日本とは違う。

日本とは異なる料理の方法や食材など、海外で台所に立つと必ずと言っていいくらい発見があります。そして、そこに歴史と文化の違いを体感します。私にとっての海外旅行はそういう勉強です。できれば、皆さんも、せっかくの海外旅行、余裕や機会があれば、一度ふつうのご家庭の台所に立ってみてはいかがでしょうか。



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