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月刊薬膳コラム
■ 程さんの月刊薬膳コラム11月号 ■
「台湾グルメフェア」

台湾観光局のお招きで「台湾グルメフェア」に行ってきました。いわば、中国料理の新旧のすべてを網羅した食の博覧会。4日間で300食! もう二度とない経験をしました。今回は、このシンポジウムの模様と、昨今の中国料理について。

この夏に想い出に残る仕事をしました。8月15日から4日間、台北の世界貿易センターで開催された台湾観光局主催の「台湾グルメフェア」に審査員として、日本から陳健一さんとふたり正式に招待されたのです。

参加したのは日本からだけでなく、ドイツ、フランス、イタリア、マレーシア、シンガポール、香港、韓国など世界十カ国の食の専門家たち。台湾には中国本土のほとんどの郷土料理がやってきていますが、それらを4日間で300食いただき、審査するというも企画でした。

何しろ、国家プロジェクトなので、九州より一回り大きいくらいの、この島にすべての中国料理が結集したと言っていいでしょう。食の本家にふさわしい内容で、新旧の中国料理の精華が揃いました。どれも甲乙つけがたい出来映え。感心しました。

が、なによりも驚いたのは、最終日に招かれた、現在世界一の高さを誇るビル「101」(ドバイで建設中の超高層ビルが完成すると一位ではなくなりますが)の85階にあるレストラン。もちろん、中国料理なのですが、設えといい、雰囲気といい、それはまるでフランス料理のレストランでした。

中国料理は、大皿で一盛りで出すのが基本。ところが、ここでは白磁のモダンな小皿に個々で盛られてでてきます。大皿から直箸で取ってみんなで食べる…この中国風のやり方をあえて無視して、小分けにする。超高級レストランとしてのチャレンジなのでしょう。日本の人は直箸を嫌いますが、中国では食事をともにすること=親密な交際なので、取り箸を添えたりすることは他人行儀な関係として、避けられます。

ですから、個々に盛られた中国料理というのは異例中の異例。そして、それにふさわしく一品一品、まるで絵画のように、日本料理のように、繊細で美しい盛りつけ。これも本来の中国料理とは異なります。いくつかの大皿料理には取り箸が添えられていました。これは日本風。和洋折衷ならぬ、中国、フランス、日本の合体の作法でした。ちなみに、美しい白磁の皿を、こっそりと裏返してみると、Made in Japan. 見事にいいとこ取りをしているのです。

料理の味、そのものは絶品ですが、私自身また同行した陳さんは、どことなしに違和感を覚えました。新しいものに気を取られ、伝統の良さを失っているのではないか。なんでも新しければ、いいというものではないのではないか。これが二人の共通の意見でした。

果たして、こうした新しい試みが正しいのか。それは歴史の判断によるほかありません。10年、20年、いや100年たって、これが高級中国料理のスタイルとして定着するのかどうか。私にはわかりません。時間が答えをもたらしてくれると思います。

いずれにしても、食というものの存在の大きさを踏まえた上で、世界に台湾をアピールするというチャレンジは、画期的ですばらしく、やはり、民間でなく、国家レベルでこうしたプロジェクトが動かない限り、日本の食のあり方も変わらないでしょう。昨今、取りざたされる食の汚染の問題のレベルに比べて、あまりにも意識に差があることを痛感した機会でもありました。



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