HOME
月刊薬膳コラム 医食同源の極意 薬膳料理レシピ集 薬膳実行度チェック 家庭料理教室
プロフィール スケジュール 舞台・音楽活動 ボランティア活動 低温殺菌牛乳普及会

月刊薬膳コラム
■ 程さんの月刊薬膳コラム6月号 ■
「私の料理人としてのルーツ」

 今回は、私の料理人としてのルーツをお話しします。
私は日本人の父と中国人の母の間に生まれました。そのおかげで、ふたつの国の料理を身近に育ちました。これが、いまの私の料理方法、ひいては考え方に大きな影響を及ぼしています。料理人の武器になったのです。今回は食にみる韓国、中国の影響を九州を舞台に考えてみます。

 私の持論のひとつに、物事は二つを比べて考えてみるというものがあります。どんなものにせよ、一つだけでは、ものの善し悪しを判断できない。だから、必ず二通りを比較検討してみる。これが長年の流儀になっています。

そもそも、私は日本人の父と中国人の母の間に生まれました。小さな頃から身の回りは、日中のすべてがありました。

なかでも日々大きなものといえば、料理。母は台湾の出身でしたから、当然、中国料理。父は鹿児島県徳之島の出ですので、日本料理。このふたつの料理法を身につけたのです。

料理というものは国境を越えて広がります。九州を例にあげると、福岡、唐津、有田など北九州は朝鮮半島の影響が顕著です。

「ゆずこしょう」といえば本州では、ゆずに胡椒がはいったものを指しますが、北九州では、中国・朝鮮流のゆずの入った唐辛子のこと。いわゆる豆板醤です。朝鮮の技術が輸入されて、この地方一帯では焼き物が盛んなのはいうまでもありませんね。

 一方、同じ九州でも、南にくだると台湾の影響が濃くなります。たとえば、落花生。広東省、福建省、台湾の特産品です。この調理方法が地方によって異なります。

皮の付いたまま醤油で炊き込む。これは、私の店でお出ししているやり方。日本では油で揚げて塩をまぶすのが普通です。

父の出身地の徳之島では、落花生に火を通し黒砂糖をまぶすお菓子があります。同じように豚足も台湾流だと、柔らかく醤油で煮込みますが、日本ではゆでて、塩や味噌でいただく。

国境を越えて、その地域ごとの特性が加わり料理は完成されていきます。丁寧に調べてみると、実に興味深い姿が現れます。

「鶏飯(とりめし・けいはん)」にしても、中国風だと鶏をまるごと一匹煮込みダシをとります。それをご飯のうえに、椎茸、薄揚げなどとともにかけて食べる。ところが、日本流だと、最初から一緒に炊き込む。

 料理はどのようにして、国境を越えるのか。私は海流が大きな要因だと思います。潮の流れによって文化は伝搬していくのでしょう。

人が作った国境よりも、自然のもたらす地形学の方が遙かに大きな要素なのです。だから、同じ九州においても、南と北ではまったくと言っていいほど異なるのです。

料理以外にもおもしろいと最近気が付いたのは、街の道路標示。福岡では韓国語の表記が見かけられますし、また南の方だと、台湾からの卒業旅行のおかげなのか、中国語の看板が少なくありません。

これだけ、交通、情報の行き来が増えてきた21世紀だから当然といえば当然。
みなさんも一度、自分なりに研究してみてはいかがでしょうか?



| HOME | 月刊薬膳コラム | 医食同源の極意 | 薬膳料理レシピ集 | 薬膳実行度チェック | 家庭料理教室 |
| プロフィール | スケジュール | 舞台・音楽活動 | ボランティア活動 | 低温殺菌牛乳普及会 |