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月刊薬膳コラム
■ 程さんの月刊薬膳コラム5月号 ■
「60年代と今の食文化」

 4月22日から6月4日まで、吹田市立博物館ほかで、「千里ニュータウン展」が開催されます。これは関西初のニュータウン開発となった千里にまつわるあれこれを、歴史や文化の視点から紹介していく企画です。

その一環として、5月6日(土)に同講座室で「60年代と今の食文化」というテーマで講演をします。今回は、そのさわりを。




 今回の講演で私に与えられたテーマは「60年代と今の食文化・食の養生訓」です。このコラムで、これまでにも、ずいぶんとお話ししてきたことですが、日本は、いま世界で一番、“豊かな”食生活を満喫している国です。

60年代には、箸だけが食卓にありました。ところが、現在は箸に加えて、スプーン、フォーク、ナイフと四種類が並びます。これが、“豊かさ”の象徴。

豊かになったから、すなわち、すべてがよくなったのかといえば、そうではありません。功罪があります。多様なメニューを楽しむことができるようになった。これは大きなプラスです。

でも、たくさんの種類の料理が食卓に出そろうようになったけれど、ほんとうの意味で、豊かになったのかというと、必ずしもそうではありません。

さしあたり、日本人の寿命は世界一。が、近年は欧米並みに生活習慣病が蔓延してきているのは、みなさんもよくご存じでしょう。

その大きな原因は、動物性脂肪のとりすぎと野菜不足。ガン、心臓病、脳溢血、アレルギー体質、アトピーなどの大きな引き金になっています。

 そもそも、60年代には、外食などは贅沢のひとつで、みんな家庭で食事を済ませていました。だから、生活習慣病の割合は、少なかったのです。

ところが、テイクアウト、ファーストフードの登場で、がらりと食の形態が変わりました。外食を楽しむ機会がぐんと増えました。料理店は商売ですから、食品添加物も使うし、うまいと実感させるために、濃い味付けをほどこします。

たとえば、昔はみそ汁には具がたくさん入っていたので、「みそ汁は食べる」と言っていましたが、最近は、みそ汁は吸うとか、飲むとか言われるようになりましたね。

これは、料理店では原価の関係で具だくさんにできないから。言葉一つにも変化が読み取れます。一度、そんな風に食生活が流れ出すと、もう後戻りはできません。しゃぶしゃぶの、野菜の少ない、塩分の多いみそ汁をいただきながら、健康のことを考えなくては、ならない。

 健康な食生活を送るためには、もう自分で自分を守るほかないのです。

昭和の時代、食うや食わずの戦後のどさくさ、闇市から、どんどん高度成長を果たして、立派な食事にありつくように日本は進歩したのですが、その反面、粗食の持つよさが見失われてきているのも事実です。

 今回の講演では、迷い箸をするほど、多彩に多様に豪華になった食卓の陰で、実は、健康をないがしろにするような食の時代が始まっていることを、改めて、みなさんにお話ししようと思っています。



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